面縄小学生と環境学習


本年度、虹の会では伊仙町の環境学習事業の委託を受け、町内の3つの小中学校で環境学習に取り組んでいます。

各校での取り組みを少しご紹介します。

一校目の面縄小学校では、6月から取り組みをスタートしました。

毎年ウミガメが産卵にやってくる砂浜がすぐ目の前に広がっている面縄小学校ですが、実はウミガメの産卵やふ化脱出を見たことがないという子がほとんどでした。

身近な地域の自然に目を向けてほしいということで、徳之島ウミガメネットワーク代表でもある当会の池村理事が、ウミガメの生態や特徴、徳之島の現状などについて出前授業をしました。

初めて知ることも多く、興味津々の子どもたち。

生態を学んだ後は、ウミガメの痕跡の観察や海岸清掃も実施し、ウミガメが上陸しやすい環境づくりに取り組みました。

そして夏休み期間中には、ウミガメの脱出を観察しよう!と張り切って計画しました。

ところが、今年はふ化のタイミングで台風が襲来したりお盆が重なったり…

さらに台風で潮位が上がって卵が水没したり、予測が当たらず子ガメの脱出があったりと、なかなか観察会が実施できません。

現地の状態をスタッフが毎日確認しつつ、子どもたちとは脱出後のふ化率調査も行いました。

あとは念願の脱出本番のみ!

何とか子どもたちに観察してほしいと、カレンダーとにらめっこの日々。

シーズンも終わり間近となり、面縄小の子どもたちにとっては「最後のチャンス!」ということで、今月20日にウミガメ脱出の観察会を計画しました。

すると…何ということでしょう!!前夜にまさかの子ガメが大量脱出。

1匹残らず海へ帰って行ってしまいました。

自然相手の難しさを痛感しました。

残念ながら、ウミガメの脱出を観察することはできませんでしたが、子どもたちには来年もぜひ観察しに行ってみてほしいと思います。

そして10年先、50年先もウミガメが上陸、ふ化脱出ができる環境を、子どもたちが意識して大切にしていってくれることを願っています。